正直に書くと、俺は釣りをほぼ知らない。昔、付き合いで何度か竿を握ったくらいだ。
それなのに来週、呼子まで行くことになった。きっかけは、一緒に行く人がいたからだ。その人と話していると、なぜだか自分も海に立ちたくなる。理屈じゃない。隣で同じ景色を見て、同じ潮の話をして、笑っている。それだけで、知らなかった世界の入口が開いていく。
準備として、まず道具を揃えはじめた。何を買えばいいかも分からないから、勧められたものを素直に買う。それがいちばん早い。
夜の堤防は真っ暗らしい。足元が見えないと話にならない、と。たしかにそうだ。明るすぎるくらいで丁度いいと言われた。
直線で歩くと決めたら、岩でも登る。
そういう人と、海に立つ。
潮の話を聞いた。下げ七分の激流と朝マズメが重なる、その瞬間がいちばんの勝負どきらしい。6月6日の明け方。日の出は5時10分。何のことか半分も分かっていない。でも、その「分からなさ」が、今はやけに楽しい。
来週、ここに続きを書く。釣れても、釣れなくても。一緒に行った人のことは、たぶん多くは書かない。書かなくても、伝わると思うから。